第6回 萌黄会書展



会場 銀座アートスペース


展示作品 (先生の作品を除く)




歳月



春天の 青の充実 人はいま
水晶色の 管楽器なれ 「築地正子」



水はつかめません 水はつつむのです 二つの手の中に
そおっと大切に 水のこころも 人の心も 「高田敏子」



秋くれば ときはの山の 松風も
うつるばかりに 身にぞしみける 「和泉式部」



いにしへの 奈良の都の 八重桜
今日九重に にほひぬるかな 「伊勢大輔」



継色紙 臨書



かの時の 言いそびれたる 大切の 言葉は今も 胸にのこれど 「石川啄木」



花の色は うつりにけりな いたづらに
我が身世にふる ながめせしまに 「小野小町)



なつ花に 多くの恋を ゆるせしを
神悔い泣くか 枯野ふく風 」「与謝野晶子」



私を注がないで ぬる酒のように 私は海
夜よほうもなく 満ちている 「新川和江の詩から抜粋」



あらざらん この世のほかの 思い出に
今ひとたびの 逢うこともがな 「和泉式部」



うき雲を 千里にはらふ 風なくば
今宵の月を いかでみましや 「井上通女」



風花や かなでる響 しづやかに 「築地正子」



街に出て 香水の 匂ひを えらび居り
炎なす心 いまは甘くして 「鈴鹿俊子」



「軸 寸松庵色紙 臨書」